中国の映画 芳華

近年の中国映画のなかでも出色の感動作です。

困難な時代を生きた若者たちに捧げられています。

中国国内で大ヒットしたといいます。

1960年から70年代にかけて中国全土を揺るがせた文化大革命の時代。

歌と踊りに長けた少年少女たちは軍の歌劇団、文芸工作団に入団する。

当時のエリート。

歌と踊りの舞台で前線の兵士たちを慰問したり、毛沢東思想で鼓舞したりする。

「戦場のレクイエム」、「唐山大地震」で知られるフォン?シャオガン監督(1958年生まれ)自身、若き日、この団員だったという。

若い男女の集団だから、いずこも変わらぬ恋が生まれる。

恋のさや当てもあれば、いじめもある。

それでも開発途上にある国家のために働いているという一体感が彼らをひとつに結びつける。

しかし、国家のために働きたいという公の意識と、若者らしく生きたいという私の意識はしばしば対立する。

若い女性たちはおしゃれをしたい。

自由に恋をしたい。

しかし、それは禁じられている。

彼らが共産党によって禁じられているテレサ?テンの歌をひそかに聴いて心を震わせるところは切ない。

模範兵だった若者は恋をしたために罰せられる。

やがて毛沢東が死去し、文革の熱狂が終わる。

他方でベトナムとの戦争が勃発し、戦場に出てゆく。

踊りの好きだった少女は野戦病院で看護師として働く。

そこで悲惨な若者たちの死を見て精神が病んでしまった。

戦争は終わり、中国社会は開放経済に向かってゆく。

文芸工作団もいつしか時代遅れとなり解散することになる。

回想形式を取っている。

あの頃は貧しく、厳しい時代だったかもしれない。

それでもそこには確かに自分たちの青春があった。

その青春追慕の思いが泣かせる。

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